ザック・ポーゼンが手掛けた新ユニフォームが登場!

 

5月29日より、デルタ航空のフライトアテンダントと地上職員らのユニフォームがスタイリッシュにリニューアルされた。デザインを手掛けたのは、世界的に活躍するNY出身のザック・ポーゼン。成田空港で行われたフィッティング会で、誕生秘話に迫った。

レッドカーペット向けの華麗なドレスをセレブリティに提供してきたザック・ポーゼン。そんな彼がデザインと監修を手がけたのは、フライトアテンダント、グランドスタッフや航空整備士を含む、デルタ航空全従業員の制服だ。

自らの名を関したブランドに加え、16年春夏からブルックス・ブラザーズのクリエイティブ・ディレクターも務めるザック。長いキャリアの中でも、制服をデザインするのは初めてだという。「美しさだけでなく、機能性やビジネスアタイアにふさわしい品格が求められる制服は、いわばインダストリアル・デザイン。非常にやりがいのあるチャレンジだった」。

女性フライトアテンダントには、飛行機の流線形にインスピレーションを得たというペプラムジャケットやVネックの膝丈ドレス。男性には、グレーのスリーピーススーツなどが登場。アメリカのパスポートから着想を得たという深いパープルに情熱的なレッドといった、制服には珍しいドラマティックな色使いも見逃せない。あえて白ではなく、淡いライラックを中間色にセレクトするあたりもお見事。デルタ航空を象徴する“ウィジット”ロゴも、ボタンやタイなどに取り入れられ、遊び心あるアクセントになっている。ワードローブの組み合わせは自由自在で、ワークシーンでの装いの楽しみも無限大だ。デュポン社と共同開発した、天然繊維を使った4ウェイストレッチ素材で、動きやすさや耐久性もお墨付き。

成田空港で行われたフィッティング会には、ザックも来日して参加。デザイナー自ら着せつけたり、スタイリングのアドバイスを行うという贅沢さに、居合わせた社員は大興奮。コメンテーターを務める米リアリティ番組『プロジェクト・ランウェイ』で見せる辛口なトークとは一転、笑顔あふれる試着会となった。「3年という歳月を費やしたビッグプロジェクト。実際に何度もアトリエに来てもらったり、SNSで意見交換してきたから、今やすっかりファミリーだね! ユニフォームとは従業員のアイデンティティであり、誇りを表現するもの。周囲からもリスペクトされるものでなくては。彼らのモチベーションを上げ、自信に満ちあふれた状態で働けるようなデザインを目指した」。

セレブリティの華やかなドレスを手掛けてきたザックだが、「すべての人が特別だと思っている。僕のデザインを通じて、みんなが毎日最高の自分でいてくれたら嬉しい」。そんなザック・ポーゼンのフィロソフィーをまとった誇り高きクルーのユニフォーム姿を、ぜひ空港や機内で確かめてみてほしい。

プロフィール

ザック・ポーゼン/1980年NY生まれ。パーソンズ美術大学とセントマーチンズ大学を卒業後、2001年に「ザック・ポーゼン」を設立。以来、グラマラスなボールガウンで、世界中のセレブリティを魅了する。2016年春夏からは、ブルックス・ブラザーズのウィメンズのクリエイティブ・ディレクターも務める。

パイピングが効いている真っ赤なトレンチコートはドレス感覚で楽しめる華やかな一着。ウィジェット柄のタイを小粋なアクセントに。「ユニフォームとは、旅へのロマンスやノスタルジックを掻き立てるものだ」。

「採寸こそがすべて」と常々語っているザックらしく、細やかなフィッティング作業にも熱が入る。デルタ航空のようなグローバル企業の制服は、さまざまな人種、ボディタイプに対応できなければならない。逆に言えば、正しいサイズ感であれば、どんな体形でも洋服が着こなせるということ。

デザイナーだけでなく、シアトルから来日したという本プロジェクト専任のプロフェッショナル達が採寸や着こなしのアドバイスにあたる。ザック自身が「自分も着たい色」というライラックカラーのシャツは、リボン襟がポイント。

ファッションエディター 中馬あかね