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ポートランド、最新グルメトレンド

2017-01-01

近年オレゴン州のポートランドは、全米有数のグルメ都市として世界的に注目を集めている。2000年前後のころから、アメリカではローカルのオーガニックフードに対する関心が急速に高まり、高品質な作物をバラエティ豊かに生産するオレゴン州への関心も高まっていった。

1960年代後半から1970年代にかけて、アメリカは急激な経済成長を遂げた。だが、オレゴン州は開発ブームの流れに乗らず、逆に都市や工業地域の膨張を抑制する目的で、都市成長境界線を1979年に制定した。ポートランド郊外に、豊かな自然と農地が守られているのは、この政策のおかげでもある。

ここ15年くらいの間に、ニューヨークやロサンゼルス、そしてサンフランシスコなどから、多くのスターシェフがポートランドに移り、高品質なレストランを続々オープンさせている。近郊の農家から、新鮮で安全な旬の食材を調達できるポートランドは、料理にクリエイティビティを発揮したい意欲的なシェフたちにとって、理想的な都市といえる。 

なお今回の取材では、多くのポートランドのシェフにインタビューしたが、自ら畑で作物を作っている人、そして将来それをしたいと考えている、と答える人が少なくなかった。あらゆる面にクリエイティブでありたい、と考える人々が、今のポートランドのグルメブームを支えているのだろう。

text_sky photo_Taro Otake special thanks to_Travel Portland www.travelportland.jp 
オレゴン州政府観光局 traveloregon.jp Feast Portland www.feastportland.com

Access
オレゴン州への日本からの玄関口、ポートランド国際空港までは、成田国際空港から直行便で約9時間半

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Firesteed Cellars Winery
ポートランドから車で1時間ほどの距離にある、リッカーオールに広大なヴィンヤード(ぶどう畑)を持つワイン製造メーカー。テイスティング・ルームでの試飲をとおして、ウィラメット山系のテロワールを体感することをお勧めする。
2200 N Pacific Hwy W, Rickreall, OR 97371
Tel: +1-503-623-8683
www.firesteed.com

進化を続ける美食への探究心 - ポートランドが育む多層的な食文化

Trend

ポートランドのダウンタウン、チャイナタウン、そしてウェストエンドなどの街区を初めて歩いた方は、レストランやカフェ、そしてパブやジュースバーなどの飲食店が非常に多いことに驚かされるだろう。

ポートランドの市街地は、角地を増やすことで、不動産価値を高めるという初期の都市開発の狙いから、1ブロックのサイズが他のアメリカの都市よりも小さく設計されている。多くのポートランドのビルの1階部分は、ショップが連続して続くショーケースのようになっているが、飲食業店舗の店側の歩道はテラス席に使われることも多い。そんな街中の風景が、レストランなどのショップが多いという印象を、一層強く見る者に抱かせるのだ。

ポートランドのレストランシーンの近況としては、ウィラメット川の東側のサウス・イーストとノース・イーストの比較的地価の安いエリアを中心に、新しいレストランが増加している傾向にある。ポートランドではポートランド外のエリアから来た若い料理人たちが、屋台村のようなフードカートでストリート・フードを提供することから飲食ビジネスをスタートさせ、評判を集めることに成功して晴れてレストランのオーナーシェフになるというストーリーが数多くある。元々リベラルな都市であるポートランドは、移住者を排除することなく共生して、共に発展していくことをよしとする文化をもっている。その気質は、食文化の面にもあらわれているといえるだろう。

昨年秋の週末の4日間に行われた「フィースト・ポートランド」は、注目のグルメシティであるポートランドの今、を知ることができるイベントだ。期間中は食にまつわる様々な企画が市内の各所で行われるのだが、ローカルの人々、そして海外を含むオレゴン州外からの来場者で、いずれの会場も常に人でごった返すほどの盛況ぶりだった。

日本料理に対する関心も高く、「こんにちはPDX」と題された日本食のディナーイベントのひとつは、あっという間にチケットが完売した。そこで提供されたお好み焼きのクオリティの高さには、正直日本人として舌を巻いた。この料理を作ったナオミ・ポメロイに話を聞くと、彼女は岡山で初めて食べたお好み焼きに感銘を受け、その後大阪や東京でも食べ歩きをして、その味を研究したそうだ。彼女に代表される、食に対する貪欲なまでの探究心と、情熱を持つ料理人たちが、ポートランドには多く存在する。そしてその精神が、ポートランドをグルメシティとして成長させるための、原動力となっているのだろう。

Tusk [タスク]

最新のカジュアルなレストラン
サウス・イーストエリア最新のレストランのひとつ。白を基調とした明るい店内は、お洒落にブランチやディナーを楽しむにふさわしい。提供される料理は、中東料理のフュージョンスタイル。使用する野菜や小麦、穀類は地元産にこだわっている。

2448 East Burnside St, Portland, OR 97214
Tel: +1-503-894-8082
www.tuskpdx.com

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Feast Portland [フィースト・ポートランド]

ポートランドの美食を満喫する催し
フィースト(ごちそう、饗宴の意)・ポートランドは、昨年の9月15〜18日の間、ポートランド市内の各会場で行われた「食」の祭典だ。アメリカの最先端グルメを知ることのできるこのイベントは、今年は9月14〜17日に開催される予定である。

www.feastportland.com

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Beast [ビースト]

ポートランドの人気店の代表格
シェフのナオミ・ポメロイが作るフレンチとニューウェーブ・アメリカン料理のクオリティの高さから、ポートランドの数多くのレストランのなかでも、絶大な人気を誇る店。その味を確実に堪能したい方は、まず予約をすることが必須である。

5425 NE 30th Ave, Portland, OR 97211
Tel: +1-503-841-6968
www.beastpdx.com

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飲みやすく、そして味わいが深い目下、急成長中のハードサイダー

Topics

近年、ポートランドのクラフトビールは世界的に注目を集めているが、ポートランドではクラフトビールという言葉はあまり使われてはいない。ひとり当たりのクラフトビールの消費量が国内最大のポートランドでは、ビールはクラフトビールなのが当たり前であり、あえてクラフトという言葉は使う必要もないのである。

ポートランドではビールだけでなく、コーヒー、ワイン、蒸留酒などでも、こだわりの「クラフト精神」が発揮され、そのカルチャーが世界に向けて発信されているが、その中でも最新の流行と言えるのがハードサイダーの分野だ。ハードサイダーは、林檎を主原料として発酵させたお酒である。日本ではフランスの呼び方である、シードルのほうが馴染みが深いだろう。

アメリカにおけるハードサイダーの歴史は古く、植民地時代から人々に愛飲されている飲料だった。しかし禁酒法時代を経て、アメリカでのビールの人気が高まるにつれて、ハードサイダーの消費量は次第に減っていくことになった。だがポートランドをはじめとするオレゴン州内では、2010年ころからハードサイダーへ注目が集まるようになった。これはクラフトビールのブームの影響で、ビール以外の分野でもこだわりの酒を作りたいという若い世代の生産者の視線が、ハードサイダーに向いたためである。

2013年には、オレゴン州でのハードサイダーの生産量は3年前の4倍の規模にまで増え、その数字はさらに増加を続けている。穀物を発酵させるビールと異なり、林檎を発酵させるハードサイダーは基本的にグルテンフリーな飲み物なので、昨今の健康志向も急速なハードサイダー人気の高まりに寄与していると思われる。だが、一番の理由はやはりその味の良さと、味わいのバラエティの豊かさが、ポートランドをはじめオレゴン州の人々を魅了しているところにある。

若いサイダリー(サイダー醸造所)の人々は職人気質を発揮し、独自の「クラフトサイダー」の味を追求している。伝統にのっとり林檎を主成分としながらも、ホップや他のフルーツ、そして各種酵母を用いて新しい味を作り出すことに、クリエイター的な喜びを見出しているのだ。現在ポートランドには多くのサイダリーがあり、ハードサイダー専門のタップルームもある。またボトル詰めの製品は、スーパー等どこでも買えるようになっている。クラフトビール同様、ポートランド発のトレンドとして大人気のハードサイダーを、ぜひ味わってみていただきたい。

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オレゴン産のサイダー作りに適した品種の林檎をベースに、各サイダリーは独自の味作りに勤しむ。

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ハードサイダーの作り手は、彼らのように若い世代が中心となっているのも特徴だ。

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ハードサイダーには、樽で熟成させるなど様々な製法がある。

Reverend Nat’s Hard Cider [レヴェレンド・ナッツ・ハード・サイダー]

幅広いラインナップが特徴
林檎果汁をベースに、ホップ、アプリコット、黒蜜、ピーチ、洋梨、ブラックベリー、そして各種酵母などの素材を使った、クラフトビール的ともいえるクリエイティブなハードサイダー作りを得意とする。季節限定品、樽熟成品の種類も豊富だ。

1813 NE 2nd Ave, Portland, OR 97212
Tel: +1-503-567-2221
reverendnatshardcider.com

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Wandering Aengus Ciderworks [ワンダリング・アエングス・サイダーワークス]

日本でもボトルが買える!
ポートランドから車で約1時間の距離にある、オレゴン州の州都セイラムにテイスティング・ルームを持つ人気のサイダリー。同社の製品は日本でも輸入販売されているので、ハードサイダーを体験してみたい方はネットを検索してみてはいかが。

4070 Fairview Industrial Dr SE, Salem, OR 97302
www.wanderingaengus.com

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2 Towns Ciderhouse [2タウンズ・サイダーハウス]

ポピュラーなブランドのひとつ
ポートランドから車で約2時間、セイラムの南にあるコーバリスのサイダリー。日本国内の大手スーパーでも扱いのあるブランドだ。幼馴染3人が作った若い会社であり、伝統的手法と新しい試みを融合した、独自のサイダー作りに励んでいるブランドだ。

33930 SE Eastgate Cir, Corvallis, OR 97333
Tel: +1-541-207-3915
2townsciderhouse.com

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Cider Riot! [サイダー・ライオット!]

こだわりのサイダリー
オレゴン州とワシントン州でとれた林檎のみ使用する、カスケーディアン・サイダーにこだわったアーバンサイダリー。トラディショナルな製法の林檎だけで作ったサイダーから、ホップ入り、ブラックベリー入りのクラフトサイダーまで、そのラインナップは豊かだ。

807 NE Couch St, Portland, OR 97232
Tel: +1-503-662-8275
ciderriot.com

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昔から評判の名店から新しい店まで - 最新のポートランドグルメガイド

Shops

アメリカ各地から、そして世界中から人々が移住する街であるポートランドは、あらゆるジャンルの料理やドリンクが楽しめる。数多く存在するレストランなどの中から貴方のお気に入りを探そう!

Coava Coffee Roasters [コアヴァ・コーヒー・ロースターズ]

高品質なコーヒーを味わう
厳選されたコーヒー豆だけを、ブレンドせずにローストおよびドリップして提供する、こだわりのコーヒーショップ。開封後の鮮度と風味を大切にするために、小売用の豆のパック容量は250gとなっている。自慢のエスプレッソを飲み比べてみると、コーヒーの様々な世界が楽しめるだろう。

1300 SE Grand Ave, Portland, OR 97214
Tel: +1-503-894-8134
coavacoffee.com

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Double Dragon [ダブル・ドラゴン]

オススメは5種類のバインミー!
美味しいベトナム料理をサーブする、レストラン&バー。人気のメニューはベトナム風サンドイッチのバインミー($9~)。ハウス・ラーメン($11)も、ローカルの人たちに人気がある一品。バーではオリジナルレシピを含む、様々なカクテルを楽しめる。

1235 SE Division St, Portland, OR 97202
Tel: +1-503-230-8340 
www.doubledragonpdx.com

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Ava Gene's [アバ・ジーンズ]

パスタならこの店に足を運ぼう
P.014で紹介した「タスク」をプロデュースする、サブマリン・ホスピタリティのジョシュア・マクファーデンがシェフを務めるイタリアン・レストラン。自家製の生パスタが評判の店であり、提供する食材はローカル産のものを主にしている。

3377 SE Division St, Portland, OR 97202
Tel: +1-971-229-0571 
www.avagenes.com

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People’s Farmers’ Market [ピープルズ・ファーマーズ・マーケット]

地元の人々に愛されるファーマーズマーケット
ピープルズ・コープ前の通りの「ピープルズ・ファーマーズ・マーケット」は、ローカルの様々な飲食店や生産者が出店する、地域色の濃さがその特徴。通年で毎週水曜日に開催されているので、滞在時にチャンスがあればぜひ訪れたい場所だ。

3029 SE 21st Ave, Portland, OR 97202
Tel: +1-503-674-2642 
www.peoples.coop

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SE 28th and Ankeny Food Carts [SE 28th & アンケニー フード・カーツ]

気軽にランチを食べたいときはココ!
ポートランドには500以上!のフードカートが存在しており、こちらはサウス・イースト28番通りの一角に様々なジャンルの料理を提供するカートが数多く集まっている。$5〜くらいの低価格で手軽に食事をとることができるのも、人気の理由のひとつだ。

SE 28th Ave, Portland, OR
www.foodcartsportland.com/category/location/southeast-portland-location/se-28th-and-ankeny/

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Revelry [レベリー]

モダンスタイルの韓国料理
お洒落な内装空間に包まれた、コリアン・キュイジーヌのレストラン。ピーナッツをちりばめたスパイシーなフライドチキン($14)が人気。カクテルや韓国焼酎、そしてクラフトビールやワインなど、飲み物のメニューも充実している。

210 SE Martin Luther King Jr Blvd, Portland, OR 97214
Tel: +1-971-339-3693
www.relayrestaurantgroup.com

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Lauretta Jean's [ロレッタ・ジーンズ]

美味しいパイを食べたい方におすすめ
元々は、ファーマーズ・マーケットのブースのひとつからスタートしたお店。そのパイなどの美味しさが評判となり、今ではダウンタウンとディビジョンにふたつ店舗を構えるまで成長した。季節ごとに変わるパイを、楽しむことができる。

3402 SE Division St, Portland, OR 97202
Tel: +1-503-235-3119
www.laurettajeans.com

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Bollywood Theater [ボリウッド・シアター]

インド料理をお手頃な価格で提供
単品メニューのほとんどが$10以下、ミールセットでも$20以下という価格で、本格的なインド料理を楽しめることで人気のレストラン。ディビジョンとアルバータに2店舗ある。ポートランド滞在中にスパイシーなものを食べたくなったら、ぜひこちらに。

3010 SE Division St, Portland, OR 97202
Tel: +1-503-477-6699 
www.bollywoodtheaterpdx.com

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St. Honoré Bakery [サントノーレ・ベーカリー]

フレンチ菓子が美味しい店
ディビジョンのほか、ノース・ウェストのサーマンにも店を構える。マスターベイカーのドミニック・ジュランはフランス人で、最年少でMOFを獲得した経歴を誇る。日本でも、彼の名前を冠したパンのブランドが展開されている。www.donq.co.jp/pc/aboutdonq/dominique.html

3333 SE Division St, Portland, OR 97202
Tel: +1-971-279-4433
www.sainthonorebakery.com

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Mother's Bistro & Bar [マザーズ・ビストロ&バー]

朝食とブランチが人気
ポートランドの人々から、ブレックファーストやブランチを楽しむ場所として人気の店。写真はビスケット・ブレックファースト($10.95)。月曜定休で、平日は7時から、土日は8時からオープンしている。日当たりのよい角地にあるので、ぜひ天気の良い日に行くことをお勧めする。

212 SW Stark St, Portland, OR 97204
Tel: +1-503-464-1122
www.mothersbistro.com

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SuperBite [スーパーバイト]

スタイリッシュさが光るレストラン&バー
モダナイズされたアメリカ料理を提供する人気のレストラン。スモールプレートのメニューが多く、様々なお皿を食べ比べて楽しむスタイルが人気の秘密。なおレストランにはバーが併設されており、ここではクラフト・カクテルとスナックを味わうことができる。

527 SW 12th Ave, Portland, OR 97205
Tel: +1-503-222-0979
www.superbitepdx.com

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KURE Juice Bar & Kitchen [キュア・ジュース・バー & キッチン]

健康的で美味しいジュースなどをラインナップ
オーガニックジュースが人気の店。ポートランド内に5店舗を構えるが、ウェストエンドの店はアサイボウル、サラダ、スムージー、スープなど、ジュース以外の幅広いメニューを提供。健康的な食事をとって、気分をリフレッシュしたいときに寄りたい。

408 SW 12th Ave, Portland, OR 97205
Tel: +1-855-777-5873
kurejuicebar.com

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Cacao [カカオ]

お土産にも最適な"飲む"チョコレート
今、アメリカで人気が高まりつつあるクラフト・チョコレートの名品を集めた、チョコレートのセレクトショップと呼べるユニークな店。自家製の「ドリンクチョコレート」は、ぜひ味わってほしい美味しさ。そのボトル($25)は、お土産にもピッタリな品だ。

414 SW 13th Ave,  Portland, OR 97205
Tel: +1-503-274-9510
cacaodrinkchocolate.com

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Pearl Bakery [パール・ベーカリー]

地元の人に愛される町のパン屋さん
1997年にパール・ディストリクトで商売を始めて以来、地域の人々に美味しいパンを提供してきた小規模ベーカリー。店内にはカフェが併設されており、ブレックファーストやランチのサンドイッチ類や、サラダやスープなどを食べることもできる。

102 NW 9th Ave, Portland, OR 97209
Tel: +1-503-827-0910 
www.pearlbakery.com

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Sentinel [センチネル]

快適に過ごせる宿
かつてはザ・ガバナーズ・ホテルの名で親しまれていたが、近年名を代えるとともにリノベーションし、リニューアルオープン。シティ・テラス・スタジオ・スイート(左)のテラスにはファイアーピットを設置。ポートランドの街の夜景を、温かい炎越しに見ることができる。

614 SW 11th Avenue, Portland, OR 97205
Tel: +1-503-224-3400 
www.sentinelhotel.com

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