大韓航空CEOキム・ジョンス スペシャルインタビュー

1968年7月25日、『ダグラス DC-9』が羽田空港と金浦国際空港を結んだ。大韓航空による東京−ソウル線の就航である。それから50年、週6便だった東京ーソウル間の運航本数は週49便に増え、日本全国でも北は新千歳空港から南は那覇空港まで全国13の空港に就航。日本で最も馴染みのある外資系航空会社のひとつになった。

今年からは、デルタ航空との共同事業(ジョイントベンチャー)も始まり、その利便性と存在感は高まるばかりだ。新しいフェーズへと踏み出した大韓航空。共同事業は両社にどのようなシナジーを与えるのか、また、顧客満足度の向上にどうつながるのか。大韓航空の常務で日本地域本部長の金正洙(キム ジョンス)氏に話を聞いた。

大韓航空が持つ長距離路線の魅力を、日本のお客様にも知っていただきたい

今年は大韓航空が東京−ソウル線を就航してから50年になりますが、時代によってお客様が求めるものは常に変化しています。これまでは日韓共同開催のワールドカップや韓流ブームなどにより、韓国を訪れる日本のお客様が全体の7割を占めていました。

しかし最近は、日本を訪れる韓国人が増加。割合で言えば、韓国人のお客様が7割を占めるようになりました。日本出発と韓国出発を合わせると、日本路線の利用者は今年初めて1000万人を突破する見込みです。日韓の往来が盛んになることは喜ばしいことですが、日本のお客様にも、もっと韓国を訪れていただきたいですね。

大韓航空といえば韓国路線をイメージする方も多いかとは思いますが、当社は仁川国際空港をハブとして世界44カ国、125都市に路線を持つ広いネットワークが強みです。そして、美味しい機内食やワインのセレクト、広いシートといった大韓航空のサービスは、長距離路線でこそ、より実感いただけると思います。今回の北米−太平洋路線におけるデルタ航空との共同事業(ジョイントベンチャー)により、大韓航空の魅力を体験いただける機会が増えるのではと考えています。

共同事業によりアメリカの290を超える都市にアクセス。乗り継ぎよりもスムーズに

大韓航空とデルタ航空は共にスカイチームの創立メンバーで、提携関係は約20年に及びます。共同事業提携により、お客様により多くの価値を提供できるようになりました。例えば、アジアを訪れるデルタ航空のお客様は、仁川国際空港から大韓航空が運航するアジア80以上の都市にアクセスすることができます。また、アジアにお住まいの大韓航空のお客様がアメリカに向かう場合、デルタ航空の全米290を超える路線網にスムーズに乗り継ぐことができます。

来年4月には、大韓航空は仁川−ボストン線を、デルタ航空は仁川−ミネアポリス線をそれぞれ新規就航しますが、 これにより、 更にネットワークが拡大します。共同事業により、両社でフライトスケジュールを調整し、乗り継ぎ時間を短縮することもできました。仁川国際空港での乗り継ぎはわずか約45分です。これは、大韓航空とデルタ航空が、共に最新設備を備えた第2ターミナルに移転したためですが、他の主要なハブ空港でも同じようにターミナル施設を共有することで、ストレスのないスムーズな乗り継ぎを提供できるようになります。

また、二社で同じ路線を運航する場合、それぞれの便の出発時刻を変えることでスケジュールのバリエーションを増やしています。例えば仁川−アトランタ便は両社共にフライトがありますが、大韓航空は朝便、デルタ航空は夕方便というように両社が協力することで、お客様へのメリットを作り出しています。人気の成田-ホノルル線も両者ともに運航していますので、同様にお客様の選択の幅が広がりました。また、マイル加算率の引き上げなど、両社のマイレージプログラムの特典も改良しました。

 

お客様を最優先する姿勢が共通していたからこそ、信頼して手を組めた

大韓航空が、デルタ航空との共同事業提携を実現できたのは、 「全てはお客様の満足のために」という理念が一致していたからです。共同事業というのは、 単なるコードシェア(共同運航)ということではなく、さらに上のレベルの提携関係で、利益やコストをシェアし、ひとつの航空会社のように運航するというものです。

そのため、ITシステムを統一したり、営業やマーケティング活動を共同で行うことになります。デルタ航空のテクノロジーを大韓航空にも活かすなど、学ぶべきところは学び、さらに進化をしていきたいと考えています。お客様にはシームレスな旅行体験を提供し、両社の優れたサービスで満足のいく空の旅をお過ごしいただきたいと思います。


Profile
金 正洙 キム ジョンス(大韓航空 常務・日本地域本部長)
1989年大韓航空に入社後、ソウル旅客支店、
ソウル本社を経て1999年から日本勤務。
2001から本国勤務の後、2008年に札幌支店 管理部長、
2011年に大阪旅客支店 支店長、
2014年にソウル本社 旅客路線営業部・ネットワークセンター
日本パート長を歴任し、2016年より現職。

Topics

新ターミナル、新型機でさらに便利に、快適に
2018年、大韓航空についての話題のひとつは、仁川国際空港第2ターミナルの運用開始だ。年間1800万人のキャパシティを持ち、大韓航空とデルタ航空のほか、エールフランス航空、KLMオランダ航空といったスカイチーム各社が利用する。乗客ひとりあたりのセルフチェックイン機および自動手荷物預け機を増設することでチェックイン時間を大幅に短縮した。

また、大韓航空は新たにファーストクラス専用のチェックインラウンジを開設し、搭乗手続きや手荷物預け入れなどを優先的に行うなど上級顧客へのサービスも強化している。もうひとつは、静粛性や快適性が向上した次世代小型航空機『CS300(A220-300)』型機の導入だ。

2017年12月、アジアで初めて導入した同機を、今年11月より順次、佂山-名古屋・成田・福岡・新千歳の各路線で使用する。同等サイズのB737型機よりも座席幅が約 4.6cm広い48.3cmのエコノミーシートや、前後の間隔が約10cm広いエコノミープラスシートを設定し、ゆとりの空間を追求している。機内Wi-Fiに接続すれば、機内エンターテインメントを楽しむこともできる。