俳優・菅田将暉 スペシャルインタビュー

若手俳優の筆頭格としてドラマや映画に引っ張りだこの菅田将暉さん。

2019年には俳優デビュー10周年を迎えるということで、10周年を記念したアニバーサリーブック『誰かと作った何かをきっかけに創ったモノを見ていた者が繕った何かはいつの日か愛するものが造った何かのようだった。』(ワニブックス刊)の撮影で訪れたハワイの印象や、10周年に向けた心境などを聞かせてもらった。

親友と撮影で訪れた初ハワイ。機内では興奮して一睡もできず

この秋、初めてのハワイを体験した菅田将暉さん。

「ほんとうは2歳の頃家族旅行で来たことがあるみたいなんですけど、まったく記憶になくて。だから今回が自分にとっては初ハワイだと思っているんです(笑)」

そう前置きしながら、ハワイの印象をこんなふうに話してくれた。
「ハワイといえば空と海の青さがぱっと浮かびますが、まさにイメージ通り。いや、イメージ以上でしたね。日差しが強いのにカラッとしていて、現地の方も言っていましたが不思議と汗をかかないので、暑いけど不快さを少しも感じないんです。何を食べても口にあうし、日本語が通じるところも多くて、人がみんな優しい。日本人を含め、リピーターが多い理由がわかった気がしました。ハワイ最高ですね」

ハワイを訪れた理由は、菅田のアニバーサリーブック『誰かと作った何かをきっかけに創ったモノを見ていた者が繕った何かはいつの日か愛するものが造った何かのようだった。』(ワニブックス刊)の撮影のため。本書は2019年に俳優デビュー10周年を迎える菅田が、小栗旬、山田孝之、二階堂ふみら豪華ゲストとともに作る、メモリアルな一冊。ハワイ編では十代からの盟友で、最近は写真家としても注目される俳優・太賀が菅田を撮りおろしている。

「太賀には高校生ぐらいからプライベートで写真を撮ってもらっていて、いつか仕事としてちゃんと撮ってもらえたらいいねという話をずっとしていたんです。今回、10周年本の企画でその夢が実現することになり、希望もこめて『どうせならどこか行きたいね』と話していたところ、ちょうど10年間の締めくくりとして、事務所も一週間ほど時間を作ってくれて、ハワイで撮影ができることになりました」

普段は朝の弱い菅田も、朝からパンケーキを食べに行ったり海で泳いだりと、朝活にも精を出し、ハワイを120%満喫したそう。なにより開放的な空気のなか、親友との気負いのない撮影とあって、普段見せることのない貴重な25歳の“オフ”の表情が数多く切り取られている。

ハワイまでの空の旅は、もちろんデルタ航空がサポート。乗り心地を訊ねると、「シートも快適でサービスも最高だったのですが……」と意外なテンションになる菅田。
「時差があるから飛行機の中で寝ておかないといけないのはわかっていたんですが、成田を出たときはまだ夕方過ぎくらいの時間だから、寝つけない。それで太賀も出ているしと『50回目のファーストキス』(日本版リメイク)を観たのはいいのですが、全編ハワイロケのせいで『これからここに行くのかぁ』と思うと、興奮して逆に寝られなくなってしまって。そのあとも映画が充実しているせいか、つい観てしまい、結局一睡もできないままハワイに着いてしまいました(笑)」

日本最高峰の映画賞で10年の俳優生活に一区切りがついた

菅田のデビューは2009年、二人で一人の仮面ライダーという斬新なコンセプトで人気を博した『仮面ライダーW(ダブル)』のW主演のひとりに選ばれ、16歳で活動を開始した。テレビをつければCMやドラマで顔を見ない日はなく、映画館に行けば何かしら出演作品が上映されている。そんな状態がつづいて久しいが、最近はさらには人気ラジオ番組『オールナイトニッポン』のパーソナリティーや、ミュージシャンの顔も加わった。まさに八面六臂の活躍ぶりだが、自身はこの10年をどんなふうにとらえているのだろうか。

「あっという間のようで長かったですね。10年で一区切りだと思っていたわけでもないんですけど、2017年から2018年にかけてたくさんの賞を受賞して、最後に日本アカデミー賞の最優秀をいただいたときに、ひとつの節目というか、一区切り感ができた気がしました」

アカデミーの最優秀とは、2018年の第41回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞のこと。日本における最高峰の映画賞で、菅田は『あゝ、荒野』での最優秀主演男優賞受賞のほか『帝一の國』で話題賞にも輝くという快挙を成し遂げた。それは25歳にして名実ともにトップランナーとして認められた瞬間だった。
「10年間、自分がやってきたことは間違いではなかったという思いと同時に、ある種の使命感も感じました。今まではどちらかというとだれかが作ってくれた場所で勝負をしてきたところがありましたが、これからは自分のアイデンティティーと感性でやっていかないと埋もれてしまう気がします」

頂点を極めながらも浮足立つことなく、むしろ今まで以上に厳しい目を自分に向ける。才能の塊であることは疑いようがないが、才能だけで勝負ができるほどたやすい世界ではないと、その表情が物語る。
「これからは今まで以上に自分がやったことの結果に責任を持たなければと感じています。そのうえで楽しいと思えるか、一生懸命になれるか、自分の感情や気持ちを大事にしていきたいですね。あくまでも自分の中でのことですが、最近ちょっとパワーが低下しているなと感じることもあったのですが、ハワイにエネルギーをもらってきました」

ハワイの空のように晴れやかな笑顔から、菅田将暉のネクストステージはすでに始まっていると確信した。


Photo_Taiga Styling_Keita Izuka Hair & Make up_AZUMA(M-rep by MONDO-artist)
Text_Noriko Washizu