新しい流れは シアトルから

世界的企業が集積する水と緑の都、シアトル。美しい自然に恵まれた街は、いま、最先端のテクノロジーと融合しながら、世界に向けて新しい潮流を生み出している。
それは、他のどこでも味わうことのできない近未来の体験かもしれない。


デジタル技術の発展とともに身の回りのツールは瞬く間に進化し、いま、ライフスタイルそのものが大きく変わる時代に生きていることを実感する。
その潮流をより強く体感できるデスティネーションといっても過言ではないのがシアトルだ。この世界をガラリと変えつつあるIT企業のうち、シアトル都市圏にはアマゾンとマイクロソフトの両雄が本社を構える。また、カフェ文化で世界を席捲するスターバックス、独自の流通・小売ビジネスで進化するコストコ、あるいはグローバルな移動の基幹ともいうべきボーイングなど、いまをときめく企業が揃い、好調な経済を牽引している。

また、シアトルはエメラルドシティと呼ばれているように水と緑が輝く、美しい自然に恵まれた街。癒しの力はもちろん、豊富な地元食材など自然がもたらすものの大きさははかり知れない。
シアトルの魅力は、その自然をベースにしたライフスタイルにテクノロジーが合わさり、どこかゆったりした空気のまま、先進の社会を築いているところにある。たとえば、街のあちこちで高層ビルなどの建設が進む一方で、ベイエリアでは、海と街とを遮断する既存の高速道路を壊し、市民の海(自然)へのアクセスをしやすくするという新しい形の再開発プロジェクトが進行している。

全米には数多くの人気都市がある。ニューヨークしかり、ロサンゼルスしかり、もちろん、それぞれにパワーも個性もある、魅力的な街だ。そのなかでシアトルのイメージはつきづらいかもしれないが、全米でも、住みやすい都市ランキング上位の常連で、ライフスタイルを重んじる人々に注目の街なのだ。訪れた人が目の当たりにするだろう、この街に生きる人々の気さくな姿も、そんな余裕からくるものかもしれない。

西海岸の北に位置するシアトルは、高緯度ということもあって日本からいちばん近い、気軽に行ける北米のゲートシティでもある。訪れれば、きっと、新時代の息吹を感じられるはずだ。

Space Needle(スペースニードル)

全面ガラス張りの展望台にフルリニューアル!


ガラスの向こうは、さえぎるもののない空中。1962年のシアトル万博時にオープンしたランドマークが昨年、総工費約1億ドルをかけてリノベーション。
展望デッキはご覧の通りのガラス張りに。この下階の展望台は室内だが、床のほとんどがガラス張りで、1周45分をかけて回転、東西南北すべての眺望が楽しめる。
写真の中央に映るのはマウント・レーニア。シアトルが、自然と都市の調和がとれた美しい街であることがわかる。
全面ガラス張りの展望台にフルリニューアル!

400 Broad St, Seattle, WA
spaceneedle.com

Access

成田国際空港からシアトル・タコマ国際空港へはデルタ航空の直行便で約9時間。
4月からは、関西国際空港からの直行便も毎日運航する。

シアトル発IT企業の意欲的な試み

シアトルを代表する企業、アマゾン。本社があるエリアに現れたのは、ほかのどこでも見たことがないもの。ハイテクが詰まったその中身とは

日本でも多くの人が利用するIT企業の雄、アマゾン。本社はシアトルのサウス・レイク・ユニオン地区にある。
シリコンバレーよろしく、なにか郊外の広大なキャンパスを想像するかもしれないが、ここは街のど真ん中。シアトルにおけるアマゾンの存在感は日に日に増し、いまでは30ほどのビルがアマゾン関連で、さらに新しいビルの建設が続いている。

まず目に飛び込んでくる球体(Spheres)は従業員のためのワーキングスペース。中では、世界中から集められた4万本以上の植物が育てられ、室温と湿度を一定にコントロール、さながらハイテクなジャングルの趣だ。
通常はここで従業員がふつうに働き、会議を行い、食事や休憩に使っている。アマゾンいわく、従業員のクリエイティビティを保つための施設ということで、たしかに中に入ってみると、ふんだんな緑のやさしさによってリラックスした感覚を覚える。

その球体の横にあるのが、アマゾンが考える未来の小売店。話題のこのショップは、なんとレジに並んで会計をする必要がない。カスタマーは、陳列された商品を思い思いにピックアップし、そのまま店を出て行く。もちろん陳列棚に戻したものはカウントされない。IT企業らしい先進の取り組みだ。

「未来」を垣間見たあとには、そのまま球体のなかにあるバーでの一杯をおすすめしたい。シアトルの有名女性シェフ、レニー・エリクソンの新しいバー・レストランがオープン。シアトルに9店舗展開する、彼女による海洋生物をテーマにしたユニークなネーミングのレストランは、どこもとてもお洒落で人気がある。ここは深海にいるような雰囲気で、未来へと思いを馳せるにはお似合いかもしれない。

Amazon Spheres(アマゾン・スフィア)

“自然”のなかに身を置けるオフィス

Photo_Sinichiro Oroku

3つの球体からなる奇抜な建築物。1階の展示スペースのほか、月に一度ほど一般公開の時間があり、公式サイトから予約できる。カフェスペースではシアトルの有名ドーナツの販売も。


2111 7th Ave, Seattle, WA
seattlespheres.com

Amazon Go(アマゾン・ゴー)

レジ決済不要の未来型店舗


事前にアプリを入手し、決済手段をひもづけてから入場するしくみ。
天井には無数のセンサーが設置され、AIがカスタマーの動向を追う。ちなみにアマゾンでは愛犬と一緒に出社できる。犬のIDが発行されるほどで、街もドッグフレンドリー。


2131 7th Ave, Seattle, WA

Deep Dive(ディープ・ダイブ)

人気シェフによる最新バー・レストラン


深海を模した落ち着いた空間には、独自のセンスで集められた装飾品などが彩りを添える。深い水色のソファがなんともクールなデザイン。
ミネラルウォーター類は青みがかったグラスでサーブされ、深海の演出に抜かりがない。

620 Lenora St, Seattle, WA
deepdiveseattle.com