華やかなりしカジノの街として有名なネバダ州ラスベガス。
近年では、続々とオープンするトップシェフによるレストランや、世界的アーティストが登場するエンターテインメントを筆頭として、”脱カジノ”の動きが鮮明になっている。

今話題の、統合型リゾート(IR)の先進地として、観光のデスティネーションとしても魅力が高まるラスベガスの今をご紹介しよう。
text_sky special thanks_Las Vegas Convention and Visitors Authority LVCVA.com


砂漠の真ん中に突如現れる都市、ラスベガス。この街の歴史を少しばかり紐解いてみると、19世紀はゴールドラッシュの頃、文字通り砂漠のオアシス(ラスベガス=スペイン語で草原の意)として、人々のカリフォルニアへの行き来の中継点となったのが街の興り。その後、世界恐慌の経済対策として建設されたフーバーダムや軍事基地により、労働者など多くの人が集まり、街は大きく発展した。時を同じくして州が賭博を解禁、第二次大戦後すぐに大物マフィアがカジノホテルを続々建設し、カジノシティとしての基礎はこのとき固まったといえる。1960年代にはライセンスの厳格化など取り締まりも厳しくなり、カジノの経営はマフィアから合法的な会社へと引き継がれ、現在に至っている。ラスベガスといえば1980年代からのテーマホテルブームを思い浮かべる方も多いかもしれない。エジプト、ニューヨーク、パリ、ベネチア、ローマと、何でもありのホテル群を舞台に、カジノにエンタメショーが加わり、ラスベガスの街を盛り上げてきた。

さて、今のラスベガスはどうだろう。2006年には、カジノの売上額世界一の座はマカオに移った。中国の経済成長が主因ではあるが、もう一つ、ラスベガスが“脱カジノ”を進めている現れとも見られている。カジノは依然として顔ではあるものの、リゾートごとに一流シェフによるレストラン、ショーやコンサートが行われるシアターを揃えるなどして、カジノ以外の収入を上げるために各々が競い始めているのだ。電子機器やITの見本市として世界的に名高いCESなど、MICE(ビジネスイベント)の需要も多いラスベガスでは、いち早く統合型リゾート(IR)のコンセプトが完成し、年間4000万人!もの観光客を受け入れている。目抜き通りのストリップを中心に動けば、その華やかさを効率よく体感できるのも人気の一因だろう。じつは、かのカジノホテルを最初につくった大物マフィアが目指したのも、このエンタメ勢揃いの壮大なリゾートだったようだ。奇しくも半世紀以上の歴史を経て“夢の街”へと進化したラスベガス。訪れる人は、いつでも新しい何かを発見できるはずだ。

ラスベガス観光の魅力の一つは、ネオンサイン煌めく華やかな都会に、世界屈指の大自然が寄り添っている“二面性”。ラスベガスから、グランドキャニオン(写真左)をはじめとする自然の宝庫、グランドサークルへは日帰りも可能だ。

Access

ラスベガスへは、ロサンゼルスやシアトルでの乗り継ぎが便利。
羽田空港からロサンゼルス国際空港までは、デルタ航空の直行便で約10時間半。


至極のエンターテイメントショーがここに
ラスベガスの原点ともいえるショーは、世界的アーティストがこぞって
舞台に上がる一大エンターテイメントへ昇華していた。

The Colosseum
世界的有名スターがライブ上演

 

マライヤ・キャリー(写真下)をはじめ、毎晩のように豪華ライブが開かれるエンタメの殿堂。こけら落としを行ったセリーヌ・デュオンの第二次定期公演もいよいよ6月でファイナル。大スターを身近に観るチャンスだ。


ベラージオホテル(21ページ)前の噴水でのラストシーンも有名な映画「オーシャンズ11」(2001年公開)のリメイク元となったのは、1960年公開の同名作品。主演は世界的歌手のフランク・シナトラだ。じつはこのシナトラ、ラスベガスとの関係は深い。サミー・デイビスJrらとともにシナトラ一家を組み、1950年代後半からサンズホテルで13年にもわたってショーを行っている。現在のラスベガス・エンタメショーの原点は、シナトラなのだ。時は移って2003年、名門ホテルのシーザーズ・パレスに4000席を超えるコロシアムがオープン。セリーヌ・ディオンをこけら落としに、エルトン・ジョンやロッド・スチュワートなどの定期ショーが行われ、“脱カジノ”のラスベガスを象徴するエンターテイメントコンテンツの先駆けといえる。所変わって、ベラージオホテルの専用劇場で人気を博しているのはシルク・ド・ソレイユのO(オー)。

O
水をテーマにしたロングラン公演

ラスベガスでも一二を争うシルク・ド・ソレイユの人気公演。
約100億円を投じて建設されたステージは500万ℓを超える巨大なプールでもある。バックステージツアーや、シャンパンを楽しみながらの特等席での観劇などVIPチケットも用意されている。


“新サーカス”として世界中から高い評価を得る彼らの公演は、ラスベガスで観られるのがなんと6公演。なかでもOは、フランス語のeau(水)に基づいたネーミングの通り水をテーマにしたショーで、ステージが上下に動いてプールになり、シンクロナイズド・スイミングとサーカスが合体したような特殊なパフォーマンスが楽しめる。

このほかにも、ラスベガスはスポーツイベントでも存在感を増している。ボクシングの聖地として長年、ニューヨークと人気を二分し、数多くのタイトルマッチが開かれているのに加え、2017年にはNHL(ナショナル・ホッケー・リーグ)のベガス・ゴールデンナイツが創設、2020年にはNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)のレイダースが本拠を移転予定と、エポックメイキングな出来事が続く。充実するエンターテイメントに囲まれ、ラスベガス観光で飽きることはないだろう。

Skyfall Lounge
ラスベガス一望のバーラウンジ

マンダレイ・ベイ・リゾートコンプレックス内のオールスイートタイプホテル、デラーノの最上階64階に位置。隣接するアラン・デュカス監修のリベア・レストランから軽食やデザートもオーダーできる。芝居がはねた後にぜひ。
delanolasvegas.mgmresorts.com/en/nightlife/skyfall-lounge.html

Bell Trans
豪華リムジンで街を回遊

華やかなエンターテイメントの街を巡るには、やはりリムジンが似合う。タクシー待ちで混雑する時間帯でも、スムーズに移動できるのも魅力だ。
airportshuttlelasvegas.com


太古の歴史が刻まれた大自然へ
人々を魅了してやまない、アメリカが世界に誇る大自然も、ラスベガスを拠点とすれば訪れやすくなる。太古の姿を残す雄大な光景をぜひ体感してほしい。

一生に一度は行ってみたい、絶景の写真を見るたびそう思う方も多いのではないだろうか。北米大陸、ユタ州とアリゾナ州にまたがる半径およそ230㎞のエリアはグランド・サークルと呼ばれ、10の国立公園、16の国定公園などが点在し、大自然の宝庫として世界的にも稀有な場所だ。そのなかでも特に有名なのが、グランド・キャニオン。

 

Grand Canyon
世界でも例を見ない自然の芸術

地球の歴史約18億年分の地層が確認できる雄大な光景はここだけのもの。端から端までは東京から関西までの距離に匹敵する広さで、四季、朝晩により気候差が激しいので、訪れる際は充分ご注意を。
nps.gov/grca/index.htm

東西およそ456㎞に渡って渓谷が広がり、20億年前の地層が露わに。地球の歴史46億年のなかで、大地ができ、海ができた、気の遠くなるような時間の長さがそのまま自然に封じ込められたところに、多種多様な動植物が棲息している。

行きたいとは思っていても、あまりにも広大すぎるこのエリア、旅行の計画に二の足を踏んでしまうこともあるだろう。ラスベガスは、このグランド・キャニオン観光への拠点としてもよく利用されている。広い大陸のこと、さすがにお隣へ車で30分というわけにはいかないが、車で5時間ほど走らせれば、そこに世界屈指の大自然がある。じつはもう一つ、ラグジュアリーなラスベガスステイにふさわしいアクセスが人気を呼んでいる。それはヘリコプター。ヘリなら主要ホテルに迎えに来てくれて、40分ほどの飛行でグランド・キャニオンに到着する。視界を妨げない構造の窓から眼下に太古の自然を眺めながら降り立った後は、散策とシャンパン付きのランチ。気楽に地球の歴史に思いを馳せることができる、なんとも贅沢なプランだ。

さらにもっと気軽に、という方でも、ラスベガスなら大丈夫。車で30分!の近さに赤い岩が特徴的なレッドロック・キャニオン(国立保護区)がある。これは、海の底の岩盤が押し上げられ峡谷を形成したもの。赤い岩肌は鉄分が酸化した、いわばサビ。現地ではロッククライミングや乗馬、トレッキングなどのアクティビティも盛んで、ラスベガスから日帰りで気軽に大自然が満喫できるおすすめの場所だ。

photo_Sam Morris/Las Vegas News Bureau

Red Rock Canyon
ラスベガス近郊の赤い大自然

アクセスはレンタカーやタクシーのほか、オプショナルツアーも多く用意されているので、ラスベガスからの日帰りでも楽しめる。車の場合は、公園内をぐるっと周るシーニックループから観光できる。
redrockcanyonlv.org

 

Papillon
人気の“ラグジュアリー”ヘリコプターツアー

photo_Papillon

到着後機長自ら用意してくれるシャンパンがお供のピクニックなど、充実したプランが魅力。

およそ4時間半ほどの所要時間なので、朝から大自然の凄さを目の当たりにした後は、ラスベガスに戻ってエンターテイメントシティを満喫できる。
papillon.com/las-vegas-tours/helicopter-landing-tours/grand-celebration-tour

 

Seven Magic Mountains
訪れるのならいまのうちに!限定公開のアート

大自然そのものではないが、大自然のなかにポツンとパブリックアートが存在するインスタ映えで話題のスポットを、番外編としてご紹介。ラスベガスから南に約16㎞車で走ったジーン・ドライレイクの近くに設置された、カラフルな石が積まれた高さ10m近くの7つの塔。世界的に有名なスイスのアーティストUgo Rondinoneの作品だ。2018年中までの展示予定が、その人気の高さから作品をさらに延長して鑑賞できるようになっている。
sevenmagicmountains.com


非日常の街をさらにラグジュアリーに楽しむアクティビティ
ラスベガスならでは、アクティビティはラグジュアリーにいきたいもの。気分はハリウッドセレブさながらに。

ドライビングの様子は車載カメラで記録され、お土産として、記念写真と一緒に渡してくれる。“観戦”できる場所も整っていて、家族や仲間のドライビングも優雅にチェックできる。モータースポーツファンにはたまらないアクティビティだ。


Dream Racing
一流のスーパーカーをドライビング体験

ドライビングの様子は車載カメラで記録され、お土産として、記念写真と一緒に渡してくれる。“観戦”できる場所も整っていて、家族や仲間のドライビングも優雅にチェックできる。モータースポーツファンにはたまらないアクティビティだ。
dreamracing.com

photo_Dream Racing

ここでしか体験できない、非日常はまだまだ続く。ここで、ラスベガスの華やかな雰囲気に合ったアクティビティの数々をご紹介しよう。まずは普段は乗ることのないスーパーカーを、本物のレーシングコースで疾走することができるドリーム・レーシング。NAS CAR(全米自動車競争協会レース)も行われる複合型レース施設ラスベガス・モーター・スピードウェイにある、ドライビング・エクスペリエンス施設だ。さすがモータースポーツ大国らしく、特別なライセンスがなくても通常の免許証でスーパーカーを体験できる。特筆すべきなのは車のラインナップ。ランボルギーニ、フェラーリ、ポルシェ、あらゆるスーパーカーに乗ることができるといっていい。簡単な講習やシミュレーションの後は、本格的なサーキットに出て、時速200㎞近くのスーパーカー体験を。お目当ての車の性能が確認できる貴重なチャンスだ。

ストリップに戻ったら、買い物に出かけるもよし、スパで癒しの時間を過ごすもよし、夜のショーに向けておしゃれをするのもよし、効率よくすべての目的が叶うのもこの街の魅力。ハリウッドも近く、世界中からセレブが集まる街らしく、ラグジュアリーなスポットが揃っている。せっかくエンターテイメントが充実して、夜が長いラスベガス。セレブ御用達のサロンで身支度をして、街へと繰り出していただきたい。非日常をとことん楽しむのが、ここラスベガスを満喫するためのコツ、かもしれない。

Violet Hour
ラグジュアリーサロンでおしゃれに身支度を

ザ・コスモポリタン・ラスベガスのなかにあるラグジュアリーなサロン。ヘアサービスや美容サービス、マニキュア、ペディキュアを施してくれる。
cosmopolitanlasvegas.com/resort/salon

photo_Violet Hour

The Shops at the Crystals
ハイエンドブランドが集まるショッピングセンター

ストリップの中心、アリアリゾートの隣に位置する一流ブランドショップばかりが軒を連ねる超高級ショッピングセンター。
simon.com/mall/the-shops-at-crystals

photo_The Shops at Crystals

ESPA at Vdara
セレブもご用達、癒しの空間

カジノのないコンドミニアム型ホテル、ヴィダラにあるスパ。
広い面積にトリートメントの施術室が並び、リラックスした時間が過ごせる。
vdara.mgmresorts.com/en/amenities/espa-at-vdara.html

photo_MGM Resorts International ®

ラグジュアリーな非日常はホテルから
非日常性あふれるラスベガスのステイを思い切り楽しむために。
ステイの形に合ったホテル選びを。

Bellagio
ストリップの超一等地にある最高級ホテル

photo_MGM Resorts International®

映画の舞台にもなった、イタリア・コモ湖をイメージした巨大な池が有名。
ストリップの一等地で無料の噴水ショーが行われる。
ラスベガスの歴史を形づくってきたホテルで、アートギャラリーやオーのシアター(P14~15)も併設している。
bellagio.mgmresorts.com/en.html


Nomad Las Vegas
新時代のラスベガスにふさわしいデザインホテル

映画の舞台にもなった、イタリア・コモ湖をイメージした巨大な池が有名。
昨年、旧モンテカルロホテルがパークMGMにリニューアル。この29~32階を占めるホテル・イン・ホテルが、ラスベガスに初進出したNYで人気のノマド・ホテルだ。シックだがトレンドを取り入れたセンスのよさが人気。
thenomadhotel.com/las-vegas/


セレブシェフの味が満喫できる世界屈指のグルメシティへ
ラスベガスのIR化へ先鞭をつけたのが、グルメの充実だ。
数多の有名レストランから、旬のお店をご紹介。

Giada
美の秘訣は健康志向の食と心地よい空間にあり

photo_GIADA at The Cromwell

イタリアの料理家、ジアーダ・デ・ラウレンティスによる、身体にやさしく、美味しいイタリアン。クロムウェルホテルに位置し、大きな窓からはストリップが一望できる。
caesars.com/cromwell/restaurants/Giada


Spago
ベラージオの噴水を眺めるカリフォルニア・イタリアン

photo_MGM Resorts International®

“アメリカの食を変えた男”ウルフギャング・パックによる新生Spagoが昨年新生オープン。25年前の同名店が、ラスベガスをグルメシティへ押し上げる起爆剤となった。
bellagio.mgmresorts.com/en/restaurants/spago-by-wolfgang-puck.html


NoMad Restaurant
ミシュラン三つ星シェフによるモダン・アメリカン

photo_MGM Resorts International®

メニュー監修はダニエル・ハム。図書館をイメージした重厚かつモダンな空間で、NY本店と同じローストチキンやシーフードが味わえる。フランベの演出が楽しいデザートも。
nomadlasvegas.mgmresorts.com/en/restaurants/the-nomad-restaurant.html


Blue Ribbon
ニューヨーカー絶賛のメニューがラスベガスへ

photo_Blue Ribbon

NYで多店舗を展開し、数々受賞するブルームバーグ兄弟がラスベガスに帰ってきた。寿司バーをリニューアルし、人気のシーフードをはじめ、さまざまなメニューが楽しめるお店に。
cosmopolitanlasvegas.com/restaurants/blue-ribbon