Volume 024
Brand: LOOPWHELLER

1924年開催のパリオリンピックでUSナショナルチームが着用したことでスウェットは世界に知られるようになった。その時代を彷彿させる「LW01」というモデル。吊り編み機が丸く編んだ生地をそのまま使う「丸胴仕上げ」。脇に縫い目はない。前後に襟ぐりにV字のガゼット入り。¥15,000(税別)

今やスウェットシャツはカジュアルウエアの代表的なアイテムと言えるが、「世界一、正統なスウェットシャツを」というコンセプトを掲げるのが日本の「ループウィラー」というブランドだ。

このブランドが「正統」というには理由がある。そもそもスウェットシャツは1920年代にトレーニング前後にスポーツ選手が体を冷やさないようにとアメリカで生まれた。当時、素材は「吊り編み機」と呼ばれる機械で編まれていた。「吊り編み機」は1時間に1メートルというゆっくりとした速度と生地の自重のみで編んでいく。糸にも負担をかけない。編まれたスウェット素材は独特の風合いを備え、着るほどに味わいが増していく。しかしその後、スピード化の波に押され、この機械は世界的に急激に減少、1960年代には姿を消してしまい、高速編機で編まれた素材ばかりになってしまった。しかし驚くべきことに、「吊り編み」の機械が日本の和歌山県の工場に約200台あまりが残っており、しかも稼働していた。「ループウィラー」は、スウェットシャツだけでなく、すべてのアイテムを和歌山県の「吊り編み機」で編んだ素材で製作する世界で唯一のブランドだ。だから「正統」を掲げている。

日本よりも先に英国やフランスでブレイクし、日本へは逆輸入のような形で人気を集めるようになった。あの「ナイキ」が最高のスウェットを求めてコラボレーションを申し出るまでにその品質は世界に知れ渡っている。

そんな「ループウィラー」が今年で創業20周年を迎える。今や日本でしか稼働していない「吊り編み機」同様、その佇まいは単なるスウェットシャツを超えた凛々しささえ宿っている。

 

←世界中で和歌山だけに残っている希少な「吊り編み機」。木製の梁から機械吊っているので、その名が付いた。

 

 

 

 

問い合わせ先
ループウィラー 千駄ヶ谷
☎5414-2350
www.loopwheeler.co.jp

Writer Profile
小暮昌弘(こぐれ まさひろ)
1957年生まれ。法政大学卒業後、(株)婦人画報社に入社。
2005年から07年まで『MEN’S CLUB』編集長。
現在は、『Pen』『Men’s Precious』『サライ』等のファッション誌を中心に活躍

Photo
Jun Udagawa