ガート・ボイル
創業者である父、そして最愛の夫の逝去により、ガート・ボイルは多額の借金とともに、社の経営を引き継ぐことになった。しかし彼女は苦境に挫けることなく、コロンビアスポーツを世界有数のアウトドアブランドに育て上げることに成功した。その原動力となったのは、「適正価格の良品」を届けたいという、すべてのアウトドア愛好家への“愛情”だったと言えるのだろう。


去る2019年12月5日、オレゴン州ポートランドのベテランズ・メモリアル・コロシアムにて、11月3日に享年95歳で永眠したガート・ボイル(コロンビアスポーツウェアカンパニー代表取締役会長)の追悼式典が行われ、多くの人がその別れを惜しんだ。

1938年にポートランドの地に誕生したコロンビアの創業者の次女であるガートは、1947年にアリゾナ大学を卒業。そして夫となったニール・ボイルとともに、コロンビアスポーツウェアカンパニーの経営に参画した。1960年、ガートは夫や友人たちのためにフィッシングベストを作った。釣り道具の数々を収納できるマルチポケットを採用するこの一品は、コロンビア初のオリジナル商品であるとともに、後の世界に普及するフィッシングベストの原型ともなった偉大な発明品でもあった。

バガブー1986インターチェンジジャケット Bugaboo 1986 Interchange Jacket ¥26,400(税込)
1986年に発売された、ファスナーでアウターとライナーを連結できる“インターチェンジシステム”を採用したバガブーパーカの復刻版。’80sを思い起こさせるポップな配色は、懐かしさと目新しさを今に感じさせるものだ。

しかし1964年の父の死に続き、1970年には夫ニールが急逝。事業拡張がこれからという時期に、ガートは最愛の2人を失った。3人の子と多額の借金を負った彼女だが、苦難を糧に亡き夫ニールの遺志でもある事業拡大に取り組んだ。アウトドアの世界を多くの人に楽しんでもらう、というガートのポリシーは、同社製品の革新性と適正な価格設定に反映された。また彼女は自身を広告に登場させ、製品を熟知する彼女自身が消費者にアピールするという、ユニークな戦略を成功させている。

ヘンリーズフォークVベスト Henry’s Fork V Vest ¥12,100(税込)
フィッシングベストの原型となった、コロンビアスポーツの発明品とも言える名作の最新モデル。大小様々なポケットは使用用途に応じて的確に配置され、独自に開発された素材“オムニシールド”を採用することにより、撥水性と速乾性を兼ね備えている。

社を、製品を、そしてユーザーとアウトドアを楽しむための大自然を愛し続けたガートの想いは、息子であるティム・ガート社長をはじめとするコロンビアのスタッフたちに継承され、同社の製品に反映され続けていくことになるのだろう。


コロンビアスポーツウェアカンパニー
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